フリーランスの在宅ライターをやっていると、
- 家で仕事できていいなあ
- 自由でうらやましい
- 私もなろうかな
と言われることがときどきあります。
しかし、実際になってみるとメリットもデメリットも感じます。そこで今回は、会社員と比べたときの在宅ライターのメリット・デメリット をまとめてみました。
家で働きたいなーと淡い期待を抱いている人はぜひ参考にしてください。

とにかく自由!在宅ライターのメリット
会社員を辞めフリーランスの在宅ライターになった私が感じたメリットは以下の5つです。
通勤しなくていい
在宅ライターのように家でできる仕事なら通勤時間は0分です。
寒い中外に出て満員電車に乗る必要がありません。極端なことを言えば、仕事を開始する10秒前まで寝ていられます。
天候を気にして早めに出勤したり、人身事故で遅刻したりすることもないので、これだけでもかなりストレスが減ります。
人間関係に悩まない
在宅ライターのように一人で仕事をすることができる場合はオフィスで空気を読んだり上司におびえたりする必要はありません。
同じメンバーに毎日会うこともないので、煩わしい人間関係から一気に開放されます。
洋服代、化粧品代が減る
女性の場合は特に通勤用の服や化粧品代がかかりますが、家でできる仕事ならすっぴんパジャマのままでOK!
オフィスカジュアルの服をそろえようと思うとなかなかお金がかかりますよね。
仕事用の服や化粧品を買わなくても良いとなるとかなり支出が減ります。
平日の昼間を自由に使える
在宅ライターはいつ仕事をしようと個人の自由なので、平日の昼間の時間を有効に使えます。
土日休みの会社員だと、病院や銀行、役所に行くのも一苦労だし、休日はどこにいっても混雑していますよね。
私も会社員時代は歯医者の予約がなかなか取れなかったり、銀行に振り込みに行く時間がなかったり、スーパーはいつも混んでいるという状況でした。
在宅ライターになった今はこれらの問題が一気に解消されました!
家事を好きな時間にできる
会社員時代は、朝早く家を出て夜帰ってくるのでなかなか洗濯物やふとんを外に干せませんでした。
でも在宅ライターになった今では好きなタイミングで洗濯物を干せるし、昼間に掃除や換気をすることもできます。
甘くない!在宅ライターのデメリット
自由で楽そうな在宅ライターですが、実はデメリットもたくさん。ここからは在宅ライター(フリーランス)の現実をお伝えしますね。
収入が不安定でストレスに
会社員は収入がある程度決まっていますが、フリーランスの在宅ライターは収入が完全に仕事に比例します。そのため、いつ収入が激減するかわかりません。
月収や賞与などいつどれくらい貰えるかが分かっていれば、
- 今月はこれくらい贅沢しよう
- 〇万円ずつ貯金して、1年で〇〇円溜まるな
と計画と立てることができますが、在宅ライターの場合はこれが難しくなります。
いまや大手企業でもどうなるかわからない時代など言われることもありますが、それでもフリーランスよりはかなり安定していると思います。
そんな不安定な収入が大きなストレスになってしまう可能性があります。
生活できない可能性もある
会社員の場合はある程度の収入は保証されますが、在宅ライターで十分な生活費を稼ぐことは楽ではありません。
私は会社員の夫がいるので最悪収入がゼロになっても生きていくことはできますが、それでも生活水準を落としたくないのでドキドキしながら生活しています。
特に子供がいる人や経済面で親の支援をしなければならない人は、もしうまくいかなかったら困るのは自分だけではないことを理解しておきましょう。
確定申告が面倒
会社員の場合は、勤務先の会社が年末調整などをしてくれるので確定申告は要りませんが、在宅ライターになると自分で確定申告をやらなければなりません。
特に節税効果の高い青色確定申告の場合はなかなか面倒です。
また、確定申告のほかに国民年金保険料や住民税なども自分で納付することになります。
フリーランスの在宅ライターになると、こうしたお金の管理も全て自己責任になります。
仕事がなくて苦労することもある
会社員なら与えられた業務をこなすことで給料が貰えますが、在宅ライターはまず「仕事を受注する」ことから始まります。
私のようにクラウドソーシングでまったりやるなら、ネット上で案件に応募するだけですし継続案件があれば少しは安心ですが、それでも仕事がなくなる不安はいつも持っています。
有給がない
風邪をひいたときや家庭の事情で仕事ができないとき、会社員には有給があるので少しくらい休んでも収入は変わりません。
しかし在宅ライターはやった分だけ収入になるので、どんな理由であれ休めば仕事量が減りそれに伴い収入も減ります。
有給がないばかりか、休日も「仕事をした方が良いのではないか」「休んでいる分収入が減ってしまう」という不安が付きまとうこともあります。
国民健康保険料が高い
多くの会社員のは公的医療保険として「社会保険」(公務員の場合は共済組合)に加入しており、保険料は会社と折半して支払います(労使折半)。
一方で在宅ライター(フリーランス)の場合は国民年金保険に加入することになるのですが、これは全額自己負担なので保険料が高いんですよね。(金額は市町村によって異なるので詳細は自分の住んでいる市町村の窓口で確認してください。)
また、国民健康保険は保険料が高いだけでなく出産手当金や傷病手当金の給付がありません。なので、子どもが生まれたときやケガ・病気で働けなくなったとき、経済的負担が大きくなってしまいます。
年金受給額が減る
会社員の場合、全国民の義務である国民年金保険料(16,410円、2020年3月時点)に加え、厚生年金を支払います。厚生年金は会社が半額負担してくれます。
一方、 在宅ライター(フリーランス) の場合は国民年金基金などに加入する場合を除いて 国民年金保険料のみ。なので支払う保険料自体はフリーランスの方が安く済ませることができます。
しかし、支払う保険料の差以上に将来受給できる年金に違いが出てしまうのです。
例えば、フリーランスが20~60歳まで国民年金保険料を支払った場合、2019年度では月額約6.5万円を満額として受給できることになっています。その一方で会社員として40年間国民年金+厚生年金を支払うと、国民年金6.5万円に加えて厚生年金約15.6万円を満額として受給できるのです。
何歳まで生きるか分からないし、将来年金受給額がどう変わるか分からないで一概には言えませんが、現時点で平均寿命まで生きると考えれば会社員の方が年金の面ではお得ということになります。
それに対応するための国民年金基金や確定拠出年金などの制度がありますが、私の場合はこの先ずっと在宅ライターかどうかも分からないので何もしていません。
扶養制度がない
よく配偶者を「扶養に入れる」と言いますが、扶養に入ると国民健康保険料や国民年金保険料、所得税などが控除されます。しかしこの制度は在宅ライター(フリーランス)にはありません。
例えば会社員の夫が 在宅ライター(フリーランス)の妻を扶養に入れることができますが、夫が在宅ライター(フリーランス)の場合は妻の収入に関わらず扶養に入れることができません。
昨今共働き夫婦が増えたとはいえ、色々な事情で働くことができないケースもあるのが現実。在宅ライターとして会社員並みの収入があったとしても、結婚すると扶養の面から不利になる可能性があることを知っておきましょう。
ちなみに私の夫は会社員なので、扶養に入れるくらいの収入に抑えて在宅ライターで生活しています。夫が会社員でなかったらこの選択ができなかったのかと思うと、自分が男だったらなかなか在宅ライターにはなれないな…と思います。
福利厚生がない
会社員には産休・育休、傷病休暇、住宅手当、健康診断、保養所の利用などさまざまな福利厚生がありますよね。しかし、基本的に在宅ライター(フリーランス)にはこれらはありません。
(フリーランス向けの福利厚生サービスに加入することもできますが、条件があったりお金がかかったり。)
個人的には産休・育休、傷病休暇がないのが一番心配です。働けなくなったとき収入がストップしてしまいますし、復帰してもすぐに今のペースで稼げるとは限らないので。
つい怠けてしまう
自由に働けるのが在宅ライターの醍醐味でもありますが、逆に言えば誰にも監視されていないのでサボり放題です。
「頑張ろう」と思っていても、どうしてもやる気が出なかったり作業が捗らない日があるので、そんな日はつい怠けてしまいがち。自制心の強い人でないと生活リズムが崩れてしまうかもしれません。
在宅ライターに向いていない人とは?
ここまで、在宅ライター(フリーランス)のメリットとデメリットを紹介しましたが、これらを踏まえると次のような人は在宅ライターには向いていないと思います。
- 人が見ていないとついサボってしまう人
- 不安定な収入が強いストレスになる人
- 土日はきっちり休みたい人
- 計画的に貯金したい人
- 税金や保険料に興味がない人
それでも在宅ライターが良いですか?
SNS上では「これからは個で勝負する時代」「会社員だって不安定」と言われることもありますが、それは人によるので鵜呑みにしないようにしましょう。
私は在宅ライターになってみて、「会社員って実はすごく恵まれていたんだなあ」と気づきました。実際に、夫の扶養に入れる状況でなかったらこの選択はできなかったと思います。
しかし、会社員のことよりは自由に使えるお金は減りましたが、余計なストレスが減って大変穏やかに暮らせています。ずっと「辞めたい辞めたい」と思いながら働き続けるよりはよかったのかな、と思っています。
この記事を読んで、それでも在宅ライターになりたいと思いましたか?